タイトル | : | 葬雪ソネット。 (そうせつそねっと。) |
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価格 | : | 500円 |
頒布開始 | : | 2012年10月28日(日) M3-2012秋 |
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CM音源 | : |
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その身体から流れる血液が、辺り一面を真っ赤に染め上げていた。
「苦しい? 大丈夫、直ぐに終わらせるね」
悲しそうな瞳で青年を見つめた後、すっと冷たい風を吸い込んで、少女は澄んだ声を響かせた。
「……その歌を、どこで覚えたんだい?」
「貴方の隣で、ずっと聞いていた。だから、私も歌えるよ」
白く舞う雪を乗せて、どこまでも届く歌。
遮る音の無いこの場所では、それが一段と綺麗に聞こえた。
少女の歌声に酷く安堵した様子で、青年がゆっくりと瞳を閉じる。
「……あぁ綺麗。きっと君は良い歌い手になるね」
穏やかに息を引き取った彼は、どこか微笑んでいるようにさえ思えた。
「優しい人。やっぱり貴方は死神なんかじゃないね」
暫く後、少女はすっと立ち上がり、振り返ることなくその場所を離れた。
青年の愛した、あの歌を口ずさんで。
街から街へ旅を続け、魂送りの歌「ソネット」を操る青年。
その澄んだ歌声を聴いたものは魂を抜かれると、
人々からは死神と呼ばれ忌み嫌われている。
道中、死とは何かを考え、その答えを探してゆく。
病弱で、生まれてから一度も外へ出たことのない少女。
自らの体質故に両親を脇に縛り付けているのが苦痛で、
早く死にたいとさえ思っている。
世界を自由に歩き回る『死神』に憧れを抱いている。
森の奥深くで、数年前に故人となった自らの彼女を生還させる為、
日々研究を続ける青年。
葬の唯一の友人にして理解者。
葬と京の間では、互いを支援すべき「契約」が存在するというが……?
旅の途中で、葬と行動を共にすることになった少年。
明るく、無邪気な人懐っこい性格。
過去、内部紛争により酷く荒れていた、山向こうの村出身で、
そこに住む家族の下へ帰ることを、切に願っている。